僕はその時までに板チョコをほぼ食べつくしてしまっていた。
早朝の海を眺めていたいと思ってバスの左側に座ったのだが、
ここも海の上ではまだ霧が深くて全然見えなかった。
バスの中では景色を見るほかにすることがないので
今度は「こんぶスナック」の封を開け、バリバリと食べ始めた。
何とも、お行儀の悪い旅行客だが、おなかのすき具合には勝てなかった。
とはいえこのスナック、とにかく半端でない量の多さ。
食べても食べてもなくならないような感覚で、
半分まで来たところで食べるのをやめてしまった。
とあるバス停で、小学校低学年と思われる子供たちが乗車してきた。
2人の男の子と、1人の鼻水を垂らした女の子。
仲良くしゃべっているかと思ったが、
別のバス停でもうお一人のお友達らしき子が乗って来た時、手話で話し出した。
やがて聾学校らしきところの前で下車していった。
私も聾者の友人がいるからか、その子供たちが明るく生きている姿が嬉しかった。
その後、バスはどんどん根室の市街地へ近づいているのか、
どんどん高校生らしき乗客が増え、気が付くと満員バスになっていた。
しかし、坂を上ったり下ったり繰り返し、ようやく街並みらしく待ってきた。
根室東高校前で高校生たちはみんな下車し、
バスはまるで終点に着いた回送のように一変した。
そうして最後の信号を曲がり、根室駅前のバスターミナルに到着した。
バスを降りた僕はターミナル沿いにある観光案内所に立ち寄り、
根室の案内地図を求めた。するとパンフレットなどをどっさりくれた。
それを小脇に抱えて、記念に駅の写真をカメラに収めてから
根室駅の駅舎に入った。
朝は9℃だった根室駅もすでに暖かな日差しの恩恵にあずかっていた。
さて、次の乗車計画は急行ノサップ号釧路行きである。
10:20発のその時刻まではまだ1時間以上ある。
昨日泊ったツーリングトレインをじっくり見る時間があるということだ。

前の晩はすでに暗くなっていたので、見て味わう余裕もなかったけど、
これは本当に味わい深い客車だった。
サイドにはTouring Train という文字が書かれていて、
パンダさんの絵が描かれた車両もあった。
※その後の状況について(4年前ですが)調べてくださった方がおられます。
鉄道模型工作記録帳 様の記事、以下のページです。
北海道廃車体ツーリングトレイン・ライダーハウスについて
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