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2011年11月02日

網走駅での野宿・・・気温は13℃

午前1時半を回った網走駅前。

自転車を背負って階段を上り、改札口の前へと歩を進めた僕の前には異様な光景が。

電気もほとんど消えて、離れた外灯の灯りがかすかに照らす改札前は、

たくさんのイモムシが所狭しと並んでいるではないか。

そう。シュラフ(寝袋)に包まれた人たちが少なくとも20人は寝ていたのだ。


まぁ、考えようによっては「たくさんの同類がいる状況の方が目立たなくていい」と思い、

僕もその一角で休むことにした。

とはいえ、実際のところ僕は彼らと「同類」どころか「異質な存在」だった。

というのも、シュラフを持っていないので「野宿する人」とは思えないような姿で

寝てしまったからだ。


その姿とは・・・・。

とにかく寝袋の代わりになるもの・・・ということで、輪行袋の中に自分が入り、

地面のタイルの冷たさに体温を奪われないように、いわゆるプチプチ、

つまりよく高級なクッキーの缶などのふたのすぐ下に入っているエアクッション

のシートを敷いて、輪行袋のファスナーも内側からきちんと閉めて寝たのである。

はっきり言って、(客観的にみると)昔の郵便車に載せられていた郵便袋の様相。


それでも自分としては「寒さをしのぐ」と「朝まで眠れる」ということしか頭になく、

十分納得しての行動だったのだ。


しかし、この姿が翌朝のハプニングを招く。


気温は下がり、夜中に何度か寒さで目が覚めた。

でも何とか朝まで乗り切ることができたようだ。

そして、駅の構内放送が聞こえてきた。急行大雪号が到着する時間のようだ。

ぼーっとした頭でそんなことを考えていたのだが、

そんな時だれかの足が僕の背中に当たった気がした。

そして気づいてみると、何だか周りがざわざわしている。


輪行袋のファスナーの端からチラッと外を見てみると、

人々に取り囲まれているようにも見える。

「何や何や?」

僕はとっさに、「この袋の中身は人間ですよ!」とアピールしないといけないと思い、

もぞもぞと動いて見せた。

そして輪行袋に入ったまま、まさにイモムシのように1mほど移動し、

ファスナーをあけて外に出てきた。


「周りの人たちは何て思うだろう・・・・」

そんな心配をしながら脱皮した僕だったが、意外にもこっちを見ていた人は2,3人。

なぜなら僕がいた場所は駅蕎麦屋さんのカウンター前。

つまり僕を取り囲んでいたわけではなく、“邪魔な荷物”をよけるようにして

お蕎麦のカウンターに並んでいただけの人々だったからだ。


あの昨夜の薄明かりの中では気づかなかったが、

まるで僕のために空いていたスペースと思われた所は皆が避けたスペースだった。


この時すでに、周りのイモムシさんたちはみんな蝶になって飛び立ち、

網走駅はすっかり「鉄道の駅」の姿になっていた。


そしてすっかり体が冷え切っていた僕は、暖を求めてさっきの駅蕎麦屋さんに並んだ。



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2011年10月05日

能取湖、そして網走市内へ

自転車で走り始めてすでに3時間が経過しようとしている。

ずいぶん経ったなぁと思いながらも、のこり30qという思いが僕を元気づける。


さて、左側に湖が見えてきた。もうサロマ湖ではなく能取湖だ。

とはいえ、いい景色というよりも、「入らないでください」という漁業組合の看板と

有刺鉄線が物々しい印象を残した。


この能取湖沿いのコースに入り、僕の進む方角は大きく変わった。

これまでほぼ一貫して南東方向に進んできた国道238号なのだが、

湖をぐるりと囲むように国道が敷かれており、一時的に南西方向を向き始めた。

その時目の前には沈みかけた「いて座」があり、天の川が流れていた。

ちょうどその時、大きな流れ星がまたひとつ天の川を横切るように流れていった。


やがて卯原内集落に入った。

真夜中の真っ暗な郵便局と自販機のぼんやりした光の前を通り過ぎた。

気が付けばまた進行方向は徐々に左へ左へと変わり、真東を向いていた。

目の前高くにはペルセウス座が見えている。

そうして最後の坂をひたすら上ったらあとは勢いよく下る道になった。

やがて、右側に網走湖がちらっと見えて、あとは景色を楽しむ余裕もないほど

勢いよく網走の市街地へと下って行った。


今までの景色が嘘のように急に街の景色になったような印象だった。

そして進んでいくと、かの有名な網走刑務所の表示板が見えた。


それにしても勢いよく下ってきたので寒さが身に染みた。そしておなかがすいた。

ちょうどそんなときに僕の目に飛び込んできたのがラーメン屋さんの電飾看板。

そう、午前1時になろうというこの時にまだ営業していたのだ。

しかも、ラーメン350円と書かれているではないか。

僕は迷わずそこで自転車を止めてラーメン屋さんに入った。


店の壁にお品書きの札がかかっている。

「ラーメン」 「味噌ラーメン」 「塩ラーメン」・・・・と、商品の名前だけ。

この時点では一番端っこに「ミニラーメン」という札があることに気付かなかった。

とりあえず僕は塩ラーメンを注文し、冷え切った手でどんぶりを包むようにして、

暖を取りながらおなかを満たしていった。 おいしかった。とっても。

ただ、350円をお店の人に渡すと、

「塩ラーメンは500円ですよ」 と言われてショックを受けた。

つまりは、あの端っこの札の、「ミニラーメン」だけが350円だったのだ。


疲れていたからか、反論する元気もなく店を出て、とぼとぼと走り出した。

「さぁて、あと何キロくらいかな?」 と、そう思ったところ、

右にその目的地である網走駅があった。あっけない幕切れだったがホッとした。

4時間半以上経過し、ついに82キロ走破したのである。

あぁ疲れた。


さて、いったいどこで寝ようかなぁ。

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2011年09月25日

サロマ湖畔〜能取湖畔へ

キタキツネを見た浜佐呂間を出てしばらく走ると強烈な坂があり、

何とかそれを上りきって勢いよく下って行った。

すると三叉路が近づいてきた。


左に行くと栄浦浜という所に行くらしい。

しかし、国道238号は右へと続いているので僕はもちろんそちらへ進んだ。

海沿いを走るルートは心地よいのだが、いかんせん

「早く網走駅に着きたい」 という願いに逆行する行動であり、

すでにかなり気温の低下も深刻になってきていた。


というわけで寄り道はせず、それでも上がらないペースのまま先を目指した。

すると、それほど時間がかかることなく大きな集落に入った。常呂町だ。

どうやら中湧別を出てからここまでの中で最も大きい集落らしい。

寝静まった街並みを走っていると、 ←常呂駅0.2q という案内板があった。

すでに失われし鉄路を案内する看板に何とも言えない寂しさを感じつつ通り過ぎた。

もっとも、この時点ではまだ駅舎は存在したのかもしれないが、

その後取り壊されて常呂町交通ターミナルという建物が建ったらしい。


さて、残り約30qであることを知り、少しほっとしたのか休憩したくなった。

それで常呂川にかかる常呂橋で足を止めた。

気温は下がっていたものの、虫が外灯に集まっていたので、

外灯と外灯の中間地点くらいの丁度良い位置で体操座りのようにして休憩した。

疲れは少し癒えたものの、体が冷えてきた。

そこで、冷え切らないうちに再度出発することにした。


そうして走り出した頃、ちょっとした異変に気付いた。

何だか左の鎖骨付近が突っ張るのだ。そしてちょっとかゆい。

右手でちょっと触ってみると、「ん?服の中に何かがおる!」

それで一旦自転車を止め、ジャージのファスナーをおろしてみると、

なんとそこにカブトムシのメスがいるではないか。

大阪育ちの僕にはカブトムシを見ることすらすごく珍しく、大興奮なのに、

こんなところで僕にとまっているなんて!

しかし、こんなところで時間をロスしている場合ではないので

道路際の草むらに逃がして僕は先を急いだ。


さぁ、これからもうひとつの湖、能取湖をぐるっと回れば網走だ。



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2011年08月08日

サロマ湖畔を行く〜ペルセウス流星群とキタキツネ

午後9時のサロマ湖畔は外灯も少なく、とっても暗かった。

「自転車で走る」という観点からすると暗いことはあまり望ましくはない。

懐中電灯の電池が消耗するのを受け入れるか、闇に目を凝らして走るか、

そのどちらかを選択することになる。


しかし、「星を見る」という観点からすると、この上ないグッドコンディション。

光に邪魔されることなく満天の星を眺めることができるのだ。

しかもこの日は3大流星群の一つ、ペルセウス座流星群の極大日から間もない夜。

たくさんの流星を見ることがまだまだ望める状況なのだ!


もちろん危険な走り方はできないので、センターラインを頼りにしながら

前方やや上の方に視線を送りながら走り続けた。

しかし、眼下の左側にサロマ湖の湖面が見えるようになってきた頃、

時折湖面が静まり返る瞬間に星たちが映っているのに気付いた。

「このコンディション、最高やわ。」


そんなことを思った瞬間、目を見張るほど大きな流れ星が見えた。

目の中に残像が残るような大きな流れ星だった。

この後も大小さまざまな流れ星が僕を喜ばせれくれた。

全部で14個見ることができた。


と、天体観測の喜びを感じながらのサイクリングだったが、

それと同時に時速20qをコンスタントに刻みながらの体力勝負もしていた。

もちろん速度メーターなどないのだが、時折現れる交通案内看板で

網走までの距離を逆算して確認していく。


だが、国道238号線のこの区間は起伏が多くなってきて、

徐々にスピードダウンしていることに自分でも気づいていた。

とりわけ上り坂で息が上がり、道路端の「クマ出没注意」の看板が

妙に現実味があって不安感をあおる。

「今ここでクマが出たら逃げられへんなぁ。上ってる坂をもう一回下るかな」

などと、弱気な考えが浮かんでくるほど。


そんな起伏の激しいサロマ湖サイクリングが2時間近く過ぎたころ、

途中の目標地点、浜佐呂間までやってきた。

と言っても夜11時になろうという時間に明かりがついているような町ではなかった。

ただ、印象的だったのは消防倉庫の扉の上で煌々と赤いランプが輝いていたこと。


そして、その直後だった。

僕の懐中電灯が照らした光を反射する二つの丸。

「ネコ?」と一瞬思ったがそれはキタキツネだった。

しばしの間こちらをじっと見つめ、とことこと立ち去る姿はとても可愛らしかった。


posted by smilykaz at 14:33 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 高3北海道鉄道旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

夜のサロマ湖畔を行く 中湧別駅出発〜

中湧別駅を出発して国道238号線を進み始めた僕。

駅前通りのオレンジの街灯がしばらくは照らしてくれた。

結構明るい道なのに、天の川が空から地平近くまで流れているのが見える。

うわぁ、すごいわぁ。これを見ながら走るのも悪くないなぁ。


さて、さっき車掌さんが言っていた通りの70キロなら3時間半で行けるかな?

と、そんなことを思った瞬間に僕を悲劇が襲った。

それは道路の案内表示に「網走81km」と書かれていたからだ。

12キロも増えた!急性肥満じゃないか!(って、体重じゃないか・・・。)

とにかく大ショックだった。


これでは日が変わる前に到着することはまず無理なので、

時速20キロを保つことを目標にして前に進むことにした。


スピードはそこそこ保つことができた僕だったが、次なる悲劇が襲った。

それは、取り付けた懐中電灯の電池が早々に切れてきたからだ。

そのころ、芭露集落に入り、道路沿いにお店らしきものの灯りが見えた。

そして、ジュースと電池を購入することができた。

考えてみると、まだ午後9時のこの時間帯に電池切れしてくれて良かった。

でも、ぶっ通しで点灯しつづけたらまた切れる可能性も考えないといけないな。

そう思うと、できるときにはスイッチを切って走ることも始めた。

車とすれ違う時、車が後ろから追い越していく時、街灯が明るい時など。

そんな、気を遣いつつの楽しい自転車の旅がこのあと4時間以上続いていく。
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2011年07月24日

夜のサロマ湖畔を行く 中湧別駅〜

名寄駅から延々と約3時間乗ってきた名寄本線629Dは遠軽に向けて出発。

僕は名残惜しい思いと目の前に立ちはだかる距離のプレッシャーから

何だか複雑な思いで中湧別駅の改札を出た。

もちろん、下車印もスタンプもしっかりゲットした。

CCF20110720_00000.jpg

湧網線の廃線についての記述がちょっと寂しさをにおわせる。

でも今の僕にはそれよりもここから明日の網走までの行動の方が頭を支配していた。


数名いた降車客がすべて駅舎を出てから僕は駅員さんに尋ねた。

「すみません。駅の建物内で朝まで寝ることはできませんか?」

そんな無茶なお願いに対する答えは当然のごとくNOである。

しかし、夜の8時を回った中湧別駅前は人影少なく、明かりも少なく、

とても野宿する勇気は持てない環境だったのだ。


そのようなわけで、僕はとりあえず網走駅まで行こう!と決めた。

やはりこの環境で一睡もできなかったりしたら明日の朝は、

寝坊⇒乗り遅れ⇒知床断念してスルー という悪循環が待っているからだ。


そうと決まれば自転車を組み立て!ということで輪行袋をほどき始めた。

稚内駅でのばらし作業から8時間ぶりの作業。

部品はすべて問題ない。

薄暗い中での作業だが、なんとかすすむ・・・。

あれ、6ミリのアーレンキー(6角レンチ)がないなぁ。

5oで締める部分はすべて完了したが、どうしても6ミリが見つからない。

なんと、稚内駅の外で落としてきてしまったようなのだ。

幸いにも5.5ミリという、普段使いもしない大きさのものがあったので、

それを差し込み、マイナスドライバーで隙間を埋めて、

なおかつアーレンキーをすこし歪めながら締めて事なきを得た。


こうして苦心の末自転車は完成。輪行袋もクルクル畳んだ。

そして、午後8時30分。中湧別駅を後にし、

エンペラーロードレーサーは僕を載せて走り出した。

一路網走駅へ!







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2011年07月05日

北の大地の偉大なるローカル線「名寄本線 9」列車になった629D

名寄本線629Dが最も長い時間停車するのがここ、紋別駅。

ただ単に大きな町だから長い時間停まるのかと思っていたが、

実はそうではなかったようだ。

というのも、ここまでずっと単行でやってきた629Dに、

後ろからやってきた(同じくキハ22)気動車が増結されたからだ。


その様子を楽しみ、いつものように下車印とスタンプを求めて

改札を出たのだが、この駅のスタンプはなかなか良かった。

「氷の芸術 流氷の町  名寄本線紋別駅」というフレーズは

オホーツク海に面した選ばれし幾つかの駅にだけ許される

ものと言えるだろう。


ただ、残念だったのはスタンプ台がカスカスになっていて、

非常に写りが悪かったことだ。本当に残念。


8分の停車の後、19:32に629Dは紋別駅を出発した。

今度はキハ22 237&224というコンビで「列車」として。


乗客はかなり少なかったが、1両目には子供が騒いでいた。

それで2両目の方に移動してみると中学生の女の子が一人。

この車両には車掌さんと僕とその子だけだった。


しばらくしてふと見てみると車掌さんがお弁当を食べていた。

するとたまたま目が合ってお互いにニッコリ。


その車掌さんがしばらくして僕に近づいてきた。

「記念オレンジカード、どうですか?」

それはさようなら湧網号という湧網線お別れ記念列車のもの。

思わず手が伸びて買ってしまった。



CCF20090728_00041.jpg
その後も車掌さんはニコニコしながらいろいろ話してくれた。

真っ暗になった景色はいつの間にかどんどん流れていき、

ついに20:10。中湧別駅に到着した。

車掌さんは「自転車、気を付けてね!」と声をかけてくれた。


偉大なる北のローカル線の旅は約3時間とは思えないほど

充実した時間だった。

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posted by smilykaz at 22:41 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 高3北海道鉄道旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月25日

北の大地の偉大なるローカル線「名寄本線 8」心はすでにサロマ湖サイクリング

すっかり夕闇に包まれた名寄本線沙留駅。

駅名標をぼんやり照らす裸電球が昭和の雰囲気で何とも良い。

そんな沙留駅をゆっくり後にした629Dはひたすら遠軽を目指す。

再び視界に入った海には赤い光の灯台が見える。


さて、沙留駅を出て間もなく19:10分になった。

それはつまり僕が降りようと考えている中湧別駅まであと1時間。

徐々に今夜から明日にかけての予定が気になり始めた僕だった。

それは、明日の朝9時には網走駅に到着していなければならず、

中湧別駅から網走駅までもし80キロあるとしたら、

時速20キロでも4時間かかるので少なくとも5時出発・・・。

つまりその距離がすごく気になるのだ。


それで、車掌さんに尋ねてみた。

「すみません。中湧別駅から網走駅まで何キロくらいですか?」

「あ〜、そうだねぇ〜。70キロくらいかなぁ。」

「そうですか!ありがとうございました!。」

というわけで、予想より10キロくらい短いらしい!と、

気持ちがずいぶん楽になって再び車窓を眺めた。


その間に列車は富岡駅を通過し、渚滑駅、潮見町駅に停まった。

そして、そこからわずか2分で紋別駅に到着した。

見た目の印象だが、この名寄本線に入って最も大きな町のようだ。




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