日御碕という案内看板が随所に掲げられていて、
8Kmと表示されていた。
「磁束30キロで走りきれるかな。15〜16分でいけるか」
なんて思いながら自転車で走っていった。
そして、約5分経過した頃再び「日御碕」の看板が。
なんと「ここから8KM」と書かれているではないか。
残り10分くらいで着くかと期待したところが、
これでは一歩も進んでいないような気分ではないか。
そしてさらに2分後。
「日御碕まで8キロ」という看板。
いい加減にしてくれよ!とがっくりしながら
ゆっくり進んだところ、「7Km」の看板が出てきた。
結局のところ全体で25分ほどかかって到着。
いったい何キロあったのか分からなかった。
そんな不思議な思いで走った道だったが、
目的地の日御碕の景色は最高だった。
ウミネコたちが飛び回り、絶壁の海岸らしい風景。
そして白亜の灯台はかなり高くて周辺を一望できる。
帰りには香ばしい匂いに誘われて旨いイカ焼きを食べ、
露店の間をすり抜けるようにして帰りの道路に出た。
自転車を押しながら歩く所が他の旅行者とは異質だ。
帰りはできるだけ道路案内標識を見ないように意識。
ひたすら走ることに集中した。
すると意外なことに20分かからず大社駅まで戻れた。
途中、一畑電鉄の駅前を通った時戸惑いを感じた。
そんなところに駅があるとは思いもしなかったからだ。
しかし、その前を通り過ぎてもう少し行ったところに
JR大社駅があった。
帰りに乗る156D列車が出るまでにはまだ時間がある。
自転車を輪行袋に詰めた後、じっくりと駅を眺めた。
「この路線まで廃止対象になるなんてなぁ。」
少し前まで急行だいせん他、優等列車も走った路線。
本当にわからないものだ。
帰りの156Dがやってきた。というか、155Dがそのまま
折り返し156Dになるのだが。
と、よく時刻表を見ると気づいたことがあった。
朝から晩まで、1編成を折返し運転するだけで、
すべての運用をまかなえてしまうではないか。
ならなおのこと、車両保全費用も低くてすむのだから、
残しておいても良かったのではないかと思ってしまう。
